創造理工学部要項2025
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3Ⅰ 創造理工学部についてⅡ 学修案内Ⅲ その他案内1.人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的2.創造理工学部の方針(ポリシー)4.創造理工学部の沿革と概要目次に戻る3. 創造理工学部の 特徴「創造」という言葉には夢とロマンがある。創造理工学部が目指す「創造」とは,社会が直面する様々な課題に科学技術の観点から具体的な解決策を提案することである。いま世界では,人口や環境,資源・エネルギー,食料など,広範かつ緊急な問題が浮上している。日本では,これに少子高齢化や労働人口の減少などの問題が加わり,産業構造や社会構造の激変に直面している。これらを乗り越えるには,政策,社会システム,科学技術など,広範な対策が必要になってきている。なかでも期待されるのが,科学技術の進歩である。多くの課題を解決し,人間が生活しやすいより良い社会を作るために,これまで以上に空間・環境技術,情報通信技術(IT),メカトロニクス,社会システム工学,環境資源工学といった科学技術の進歩に期待がかかっている。創造理工学部は,地球的視点,技術者倫理,コミュニケーション能力などの習得を教育の基本とし,社会のリーダーとなり,また国際性の高い人材の育成を行う。そのため,応用に配慮した体験型学習を積極的に取り入れ,産業界とも連携しながら,学部・大学院教育を展開している。創造理工学部の特徴は,5学科と社会文化領域が密接に連携することによって教育・研究活動を展開していく点にある。例えば医療福祉分野に注目してみると,人工心臓や医療用ロボットなど新しい医療関連システムの開発は機械工学分野(総合機械工学)が中核を担う一方で,患者の視点に立ち,効率的で快適な医療施設を設計するのは建築学の役割である。また,高品質な医療サービスを供給するためには,医療機関のシステムづくりや安定経営が不可欠であり,ここでは経営システム工学が大きな役割を果たす。そのほか環境を考えた社会基盤づくりは社会環境工学や環境資源工学の出番であり,医療施設病院全体の省資源・省エネルギーは建築学や環境資源工学の得意分野である。最適な医療システムを構築するには,5学科の研究を相互に密接に関連させることが重要なのである。また,社会との双方向教育・研究システムにも力を入れている。インターンシップ,寄附講座,生涯教育,プロジェクト研究などである。1年生に創造理工リテラシーという基礎力を鍛える,参加型授業を用意している。「創造力」「発想力」「分析力」「展開力」をつけるための教育システムとしてプロジェクト・ベースド・ラーニング(PBL)などによる実践的教育や演習・実験を重視している。実際に手を動かし,体を使うことで,机上の論理が本当の知識に変わっていく。人と工学の接点を目指すのが,創造理工学部の狙いである。学生諸君は,是非これらの理念をよく理解し,自身の能力を研鑽するように心がけてほしい。また,学生時代には生涯の友人を得る機会でもある。大学で育ぶこと,早稲田大学で学ぶことは,単に授業からのみではなく,教員,同級生,先輩・後輩から学ぶことでもある。学生諸君のステップアップを期待している。 3 創造理工学部の特徴

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